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理事長所信

Belief Expressd
第70代理事長 山本 剛義
公益社団法人 高知青年会議所
【第70代理事長】

山本 剛義

Takeyoshi Yamamoto

和衷協同
~結びつく心・圧倒的当事者意識~

和衷協同の精神をもって

Withコロナ時代に入った昨年、既存の生活様式が通用しない今日、時を同じくしてJC宣言文は改定されました。宣言文はいつの時代もその時代に即した表現にアップデートされ、我々青年会議所が社会へ投げかけるメッセージとなっています。しかし一方で、変わらないものがあります。それは、綱領です。綱領は企業でいえば、企業理念であり普遍的なものであります。

そして、青年会議所においては、「メンバーひとりひとり」にとっての拠り所であると私は確信しております。それを特に実感したのが昨年であります。

冒頭少し申し上げましたが、今日もこうして、私たちが体現している通りJCという旗印のもと、外部環境に左右されずに集まっているのがその証拠であります。だからこそ、今というときに、綱領を改めてメンバーそれぞれに強烈に意識してもらいたく基本理念として掲げさせて頂きました。

スケールメリットある会員拡大に

会員拡大の理由、それは事業を行うために、運営していくためにといった所々の課題解決の側面はありますが何よりも、私たちが住み暮らすこの高知を守り育てていく、ひいては自身のためであります。子は鎹といいますが、青年会議所は地域と人にとっての鎹であると、特に今のような混沌を極めるような状態においては、強くそれを感じています。

我々が生きているのは今であり、過去と未来をつなぐのは我々以外ではできないのです。我々現役メンバーしかできないことのひとつが会員拡大だと信じています。また、2013年に会議体、2017年からは委員会という組織でもってそれぞれ4年間、計8年間行ってきた会員拡大ですが、その在り方を今一度、精査する時期に来ていると考えます。そして、会員拡大は我々現役にしかできないと申し上げましたが、もちろん、協同していくパートナーの存在は必要です。

さいわい我々には、60数年という先輩方が積み上げてきた実績と信頼そこから紡ぎだされたつながりという大いなる無形の遺産があります。しかしながら拡大という点においては十分に生かされておりません。つながりを成熟させる効果が会員拡大にはあります。

2021年度は、この観点からの会員拡大を進めて参ります。

強靭な人財育成

青年会議所は、経済や地域の活性化や社会奉仕を主たる目的として発足した団体ではありません。成人であってもなおその資質と品性を磨くことができる20~30代という年代に互いに高め合い、しっかりと生き抜く力を得ることができる修練の場として、自身の人生観や価値観にさえ影響しうる貴重な出会いと発見の場として青年会議所は存在しています。

これまで、そしてこれからも、その存在意義は不変であると信じています。

そのような青年会議所がこれまでに展開してきた運動や今後の活動に対する社会や市民の期待は大きく、またそれに応えるべく、青年らしい「強さ」でもって取り組んで参りました。しかし、既存の社会様式が通じなくなった今日を生き抜くには「強さ」だけではなく、同様に柔軟性に富んだ「しなやかさ」もまとってこそ今を先駆けるJayceeとしての人財となると確信しています。

「相互理解型」命を守る事業

当会議所は過去来るべき有事に備え事業を実施して参りました。そして、昨年、有事に備えるという行為には広い意味で防疫という点が加わったことは言うまでもありません。もはや、局所的、地域的な有事への対策では十分ではありません。

一方で、有事の際には、自助から共助へと進みつつある流れをより確実性と実効性を伴って進めていくためにも、今一度自助を見つめ直す機運になったのも確かです。我々青年会議所の事業は、調査・研究を重ね、計画、準備、実施というプロセスを経るわけでありますが、時として、事業の対象者に寄り添うことができていない場合があります。

地域の問題解決を重視するあまり、対象者を含む本当の課題調査が不十分なまま事業実施を行っていることが見受けられます。

いわばおせったいが過ぎればおせっかいへと変質してしまうのです。確かに社会的な課題や求められる課題解決は青年会議所の役割の一つであります。しかし一方で御用聞きになるだけではいけません。双方にとっての有益となる課題解決へと導かなくてはならないのです。そのためには、愚直に対話を繰り返しミスマッチを埋めていく作業から行わなくてはなりません。

高知ブロック協議会の運営支援

当会議所は2021年度、公益社団法人日本青年会議所四国地区高知ブロック協議会に第50 代会⾧として黒瀬裕之君そして運営スタッフを数多く輩出致します。現在、日本で一番会員数が少ないブロック協議会でありますが、だからこそ、そのスケールを十二分に活かした活動を期待しますと、同時に輩出するLOMとしての価値と責任をしっかりと自覚した上で、協議会との連携を図りながら、円滑な運営ができるよう最大限のサポートを行ってまいります。

地域協働運動による事業への参画・実施

昨年、当会議所が発足より携わってきた日本一の「大おきゃく」、「土佐風土祭り」、さらには高知市民憲章推進協議会の一員として参加してきた「よさこい祭り」など、多くのイベントや事業が中止、極めつけには東京オリンピックが延期となりました。そんな数多くの既存の地域協働運動が中止になる中、当会議所はそれでもなお、可能性を信じ、いくつかの主催事業実施を行いました。この姿勢は、来年以降は確かな経験と知恵となって、主催事業のみならず、参画事業実施にも役立つはずです。また、青年会議所が歩んだ道とは異なる道を通って行う事業の構築過程を学び、持ち帰り、伝播、共有することでより一層の明るい社会の実現に近づけることができると信じております。

最後に

私は、青年会議所の門を叩き、10年目を迎えた本年、2021年度の理事⾧として立候補を致しました。私の青年会議所活動は、家庭の事情により一度その歩みが止まりました。しかし、その歩みを再び動き出せたのは、入会時の会員手帳を見たときであります。

その手帳は、青年会議所には誰が所属していて、どんな人なのか、どんな仕事しているのか確認するために毎日のように開き、名刺交換をすれば印をつけ、痛んでは修復を施しボロボロになるまで使い続けた会員手帳です。それを見た瞬間、誰かと、何かと結びついていこうとする気持ちが確かにあったことを思い出しました。

だからこそ、圧倒的な当事者意識をもちましょう。それは責任や義務から生じるものでは決してありません。自身の時間やお金というかけがえのないものを対価に青年会議所活動を行っています。そして、大いなる副産物として一生付き合っていける友人や人生に彩りを与えてくれる存在を得ることになります。これほど自身にとって尊い存在ならば愛情をもってもっと大切できるはずです。

今というこの瞬間を生きているのは私たちです。

過去と未来をつなぐのは私たちしかいません。

それを深く実感し行動に移す機会を与えてくれるのが青年会議所です。

「和衷協同」の精神でもって邁進しましょう。